育休中の勉強方法について

初めまして。卒業して15年になる歯科衛生士の松川と申します。

お恥ずかしながら勉強不足のまま10年経ってしまい、途中出産。
新天地でパートとして勤め出した医院で自分の勉強不足をひしひしと実感しています。
今の目下の課題はTEK制作です。
実は今、2人目の出産で育休中なのですが、先生の配信されている動画を毎日見てイメージを膨らませています。
メインテナンス等以外はほぼ未経験です。

不安が募るばかりですが、今からでも遅くない!と思い、自分なりに日々勉強しています。

勉強不足の私が今すぐやるべき課題やアドバイスがありましたら是非教えていただきたいです。

知識、経験を増やして、今後も歯科で働いていきたいです。

お忙しい中、突然のメール失礼致しました。

【回答】
この度は御質問ありがとうございます。

まずベテランの衛生士さんながら、向上心の高さに感服致します。ブランクがあったとしても、その向上心から必ずたくさんの事が出来るようになられるかと思います。

不安になる気持ちも私は痛いほどわかりますが、不安があるからこそ、知識や技術を磨こうと思うわけで、松川様は前向きで建設的な行動をされていらっしゃると私は思います。

ご質問の文面にもありましたが、全然遅くありません。日々勉強です。私も同じです。

今回のように誰かに聞いたりしても良いかと思います。

インターネット歯医者さんもそういう場でありたいなと思っておりまして、御質問感謝致します。

さて、

勉強に関してですが、

目下の目標が TEK制作と書いてありますので、そちらを例にお応えさせていただきます。

是非、最新作のプレミアムファイルvo.6「仮歯作製・ワックスアップ」をお勧めしたいところなのですが、、

この資料はタービンを使って仮歯を作る方法ですので、参考にはなるとは思いますが、衛生士さんはタービンは使わないと思うので、あまり実践的ではないかもしれません。

では、どうやって勉強するのがお勧めかとといいますと、‘歯の解剖学’です。

つまり、歯はこういう形をしていますよという学問なのですが、インターネットで検索すると画像もたくさん出ていますし、本も売っています。

なるべく、一つの歯に対して、

[頬側面観、舌側面観、近親面観、遠心面観、咬合面観]の5面の写真もしくは絵が載っているものがお勧めです。

■そして、それぞれの面をそっくり真似するように仮歯を作成していくと歯の形が出来ます。

真似する際はそれぞれの面で、どこが一番出ていて(最大豊隆部や咬頭)、どこが一番引っ込んでいるのか(歯頚部や裂孔、咬頭の位置)を点で認識して、その点をつなげる曲線の角度(隅角)を模倣するのがポイントです。そうすると3次元的な形態を作る事が出来ます。

■そして、口腔内にセットする際には、他の歯とのバランスを取ることが大事になるのですが、

こちらは、臼歯部であれば歯列弓のアーチに添わせる事。

前歯部であれば歯列弓に沿わせることにプラスして、唇面から見たときの切縁の位置と切縁の長さを模倣して(お手持ちの顎模型などを参考)製作すると出来ます。

臼歯でも、前歯でも近心と遠心の隅角の違い(近心は直角に近く、遠心はより鈍角つまりなで肩)を考慮するとバランスが取れます。

是非お試し下さい。

■さらに、ワンポイントアドバイスなのですが、色々な先生の仮歯作りを拝見して皆様の傾向として、裂孔や隆線などに注力している様子が伺えるのですが、裂孔や隆線を付与するのは最後の過程です。

まずは全体像と歯列弓とのバランスが大事であります。それがないと裂孔をいくら頑張って付けても歯になっていかなくて困っていらっしゃる先生方が散見されました。

逆に全体像(歯の5面の形態)と歯列弓とのバランスが取れているとそれだけで裂孔を付与しなくても歯の形態になります。

例えば臼歯部を例にしますと、咬合面観以外の4面を先に形作るようにしてみて下さい。

すると、なんかこれでもいいんじゃないか?という仮歯になるのでお勧めです。

臨床では大事ですね。

■そこからこだわるなら、裂孔や副隆線など作ってみましょう。

かなりリアルな歯になるはずです。

実はこのやり方は、以前勤めていた医院の技工士さんに習ったやり方でして、昔私が咬合面から仮歯を作っていたら、技工士さんから

「先生、咬合面は最後です」

と言われた事がきっかけで、私の仮歯作りは変わりました。

‘咬合面形態は最後に作成、そして咬合面裂孔を付与しなくても仮歯として足る形にする’

この事を念頭に置くことは、是非、お試しあれです。

それで臨床では多いに使えます。

■ちなみに余談ですが、咬合面の裂孔の付与は、通常は削って付与するのですが、よりこだわる場合は、盛って付与するとかなりリアルな歯になります。

実は技工士さんが補綴物を作る過程のワックスアップはこのように作ります。

ここまでくると、仮歯に‘生き物感’が出て、患者さんは感動し、誰しもが上手いと思ってくれます。

実は簡単で誰でも出来ます。

実際臨床でやると、

「この人、凄い!」

といった感じです。

■少し、今プレミアムファイル販売中なので、宣伝をさせていただくと、

それらをタービンのヤリ状バーを使って作成するところまで昇華した方法がプレミアムファイルvo.6「仮歯作製・ワックスアップ」になります。

ここまでくると、

口の中でタービンでシャシャシャシャッとやって歯が出来てるのですから、患者さんは元よりみている衛生士さんや歯科医師の先生であっても、

「なにこの先生、やばい・・(凄すぎ!)」

という感じです。

参照:GIFT塾卒業生推薦文4

■最低限の仮歯を作る方法から、よりリアルな仮歯を作る方法まで、色々と書いてきましたが、最後にお話ししたいことは、

不安を払拭する為に勉強したり練習するときはどうせなら明るい未来を想像しましょう。

つまり、不安の払拭のみを考える勉強はつらい事になりがちです。どうせなら、誰もが感嘆する仮歯を作ってやろうくらいの勢いで勉強したり練習したりするということです。

勉強のコツといえるのですが、その思考は現実になります。

インターネット歯医者さんのコンセプトである、

思考→行動→結果ですね。

ただし、順番は基本からコツコツと。最低限の仮歯が出来るようになってからリアルな仮歯に挑戦してみてくださればと思います。

応援しております。

ここまでお読みいただき誠にありがとうございました。

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